調査業について
●調査業者の分類について
調査業者は大きく分けて下記の4つに分類されます。
- 特定な企業・団体から依頼を受けて、取引先の企業等の信用調査を主体に行っている業者
- 特定な企業・団体から依頼を受けて、主に採用目的のための個人信用調査を主体に行っている業者
- 特定な得意先を持たずに主に電話帳広告や折り込みチラシ等の広告により不特定の個人から依頼を受けて浮気調査を主体に行っている業者
- 生命保険調査、損害保険調査等の上記以外の業者
●調査料金について
特定の企業・団体から依頼を受けている業者はほとんどが広告宣伝を行なっておらず、
電話帳広告やチラシ広告を行っている業者より当然ながら広告料金分は安いと言われています。
因みにある主婦が、電話帳広告を見て夫の浮気調査を1週間頼んだところ、調査料金が200万円かかったが、尾行をまかれた等で結果が出なかった・・・
そこで、知人に相談して、電話帳に広告を出していない調査会社に同じく1週間頼んだ結果、調査料金は約70万円で夫が女とホテルを出てくる現場のビデオ撮影等の調査報告を受けたという例があります。
それくらい料金にはバラツキがあります。
●調査業の歴史・沿革
戦国時代には、武田信玄、織田信長を始め、戦術の必要上、戦国の情報収集のための忍びの者、いわゆる忍者を雇っていた。
江戸時代に入り、徳川幕府は隠密制度を取り入れて、天下百姓(天領府地に住む潜在者)を使い、情報収集を行った。その結果300年間も徳川時代が続いたのである。
明治維新により明治政府が樹立され、諸新制度が打ち出されたが国の治安は必ずしも安定的ではなく、各地にテロや暴動が発生した。そこで明治政府は情報収集のために密偵を配置した。
この頃より”探偵”という言葉が世上に現われ始める。
当時の地方の警察官の中には名刺に”探偵”という肩書を入れていた者がいたと言われる。
やがて、産業が振興し、株式会社や証券取引所等が活発化し、企業信用が産業発展の重要ポイントとなってきたため、いわゆる興信所が次々と設立された。
・明治25年
海外視察より帰国した白鳥敬之助が商工社(後の東京商工興信所)を設立。
・同25年
大阪で外山脩三が商工興信所を設立。
・同28年
岩井三郎事務所(警察OB)が開設
第2次世界大戦後は戦後の復興とともに興信所、探偵社が急成長し、日本全国に数十ケ所の事業所を持ち、社員が千人以上の調査会社が現れる。
しかし、社会が高度化するとともに、人権尊重意識やプライバシー意識が高まり、営業形態を転換する会社が出始める。
昭和40年代から50年代には個人調査部門を廃業し、企業調査だけ行う調査会社が出始め、○○リサーチ、○○データバンクと社名を改称する会社が増える。そんな中で無秩序に増えた調査業社を一本化する活動も活発化してくる。
昭和63年、社団法人日本調査業協会が設立される。
現在、日本全国にある調査会社の数はおよそ3,500社(平成20年1月現在)と言われる。
平成19年6月より、いわゆる「探偵業法」の施行により、届け出制となったが、
届け出義務があるのは個人の「所在」と「行動」調査を行なう業者のみで、
「企業調査」や「結婚調査」などを行なう調査業務は届け出の義務は無い。
Q.調査料金はどう決めるんですか?
A.企業信用調査や採用調査のように調査項目の決まっているものは、各社とも、略一定の料金です。
しかし、結婚調査や尾行調査等の調査項目や内容が案件毎に異なる場合は、調査にかかる調査員の人数と時間によって計算します。
但し、調査会社の中には過去の経験で大まかな金額を決めるところもありますので依頼する時には事前に確認することが必要です。
Q.探偵社と興信所の違いはありますか?
A.監督官庁の警察庁の見解では探偵社も興信所も調査業者として同じに位置づけています。
業務の内容も興信所も尾行調査を行い、探偵社も取引のための信用調査を行っていますので違いはありません。
しかし、調査会社の中には”探偵”というネーミングに魅力を感じていて、探偵は特別と考えている人がいる事も事実のようです。
本来、探偵とは調査員である「人」に与える呼称です。探偵社は「探偵」が複数いる会社と考えて良いと思います。
Q.探偵にはどうしたらなれますか?
A.現在、東京地区には調査員を養成する民間の調査学校が4ケ所程ありますが、授業料が30万円から50万円位かかるようです。
卒業すると一級調査士や二級調査士等の肩書をくれるそうですが、もちろんこの資格は民間のもので、国家資格ではありません。
学校を出れば必ず調査員になれるという保証はありません。一人前の探偵になるには、先ず現場での経験が一番です。
調査員に必要なのは
(1)調査の仕事が好きであること
(2)調査員としての資質があること
(3)知識が豊富であること
(4)忍耐力があること
(5)努力家であること
以上が一流の調査員に共通した点です。
Q.調査会社とのトラブルは何処へ相談したらいいでしょうか?
A.高い調査料金等のトラブルは下記へご相談ください。
社団法人 日本調査業協会
住所 東京都千代田区神田佐久間町3-37
電話 03-3865-8371
協会に加盟していない調査業者とのトラブルでも、解決するために協力してくれます。
その他に、「国民生活センター・消費生活センター」などに相談してみるのもよいでしょう。